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Debian リファレンス
第 5 章 - stable, testing, 又は unstable ディストリビューションへのアップグレード


アップグレード用の公式リリースノートは http://www.debian.org/releases/stable/releasenotes および http://www.debian.org/releases/testing/releasenotes (作業中) にあります。

stable, testing, 又は unstable ディストリビューションにシステムをアップグレードするには、 次に示す数段階の手順を踏むことが必要となるかもしれません。

Debian は中間のリリースを飛ばしたアップグレードをサポートしていません。


5.1 Potato から Woody へのアップグレード

この手順は Potato の APT が現在の apt_preferences(5) マニュアルページに記述 されている全ての機能をサポートしていないために分けて記述されています。

/etc/apt/sources.liststable ソースだけを 含めた後に、次を実行することにより、stable 版に必要な APT と主要パッケージをアップグレードします。

     # apt-get update
     # apt-get install libc6 perl libdb2 debconf
     # apt-get install apt apt-utils dselect dpkg

次にシステムの残りの部分を Woody にアップグレードします。

     # apt-get upgrade
     # apt-get dist-upgrade

5.2 アップグレードの準備

ネットワーク経由でパッケージを取得することにより、あるディストリビューション から他のディストリビューションにアップグレードすることができます。 アップグレード作業は次のように行います。

まず stable 用のリポジトリのクリーンなリストを取得します。

     # cd /etc/apt
     # cp -f sources.list sources.list.old
     # :>sources.list 
     # apt-setup noprobe

testing にアップグレードしたい場合、この新しいリストに testing ソースを追加します。 unstable にアップグレードしたい場合には、 unstable ソースも追加します。

     # cd /etc/apt
     # grep -e "^deb " sources.list >srcs
     # :>sources.list  
     # cp -f srcs sources.list
     # sed -e "s/stable/testing/" srcs >>sources.list
     # sed -e "s/stable/unstable/" srcs >>sources.list
     # apt-get update
     # apt-get install apt apt-utils

/etc/apt/sources.list/etc/apt/preferences のチューニング技術については Debian パッケージ管理の基礎, 第 6.2 節 をご覧ください。


5.3 アップグレード

上記に示したように /etc/apt/sources.list/etc/apt/preferences を適切に設定した後、システムの アップグレードを開始できます。

しかしながら、Debian の testing ディストリビューションを 追いかけることには、更新されたパッケージはまず unstable に アップロードされ、後で testing に移って来るために、 セキュリティ修正を含むパッケージのインストールが 遅れるという副作用がありえるということに注意してください。

基本的なことは Debian パッケージ管理, 第 6 章 をご覧ください。そして、問題に 直面した場合は APT アップグレードのトラブルシュート, 第 6.3.2 節 をご覧ください。


5.3.1 dselect を使用する

システムに -dev パッケージなどを含む多くのパッケージが存在する場合、 dselect を使用した次のような手段を用いたきめの細かいパッケージ 制御がお薦めです。

     # dselect update  # アップグレード前には常にこれを実行する
     # dselect select  # 追加パッケージを選択する

dselectを起動した時、現在の全パッケージが選択されています。 Depend, Suggest, そして Recommends に基づく 追加パッケージがある場合、dselect が入力を促すかもしれせん。 パッケージを追加したくない場合は、ただ Q を押せば、 dselect は再び終了します。

     # dselect install

dselect の install 作業中、パッケージの設定に関する質問に いくつか答える必要があるでしょう。ですから、この過程のために時間とノート を用意しておきましょう。dselect, 第 6.2.3 節 をご覧ください。

dselect を使用してください。 常に動作します :)


5.3.2 apt-get を使用する

     # apt-get update
     # apt-get -t stable upgrade
     # apt-get -t stable dist-upgrade
     # apt-get -t testing upgrade
     # apt-get -t testing dist-upgrade
     # apt-get -t unstable upgrade
     # apt-get -t unstable dist-upgrade

いったんシステムが Sarge まで到達したら、apt-get の代わりに aptitude を使うことをお薦めします。 (aptitude は 上に示したものを含めた apt-get が受け取るオプションの多くを受け取ります。)

アップグレードを行い、現在の dselect 設定を保持するには、次を実行します。

     # apt-get dselect-upgrade

パッケージの依存性, 第 2.2.8 節 をご覧下さい。


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Debian リファレンス

CVS, 2005年 4月 3日 月曜日 22時59分00秒 UTC時間

Osamu Aoki (青木 修) osamu@debian.org
翻訳: 角田 慎一 tsuno@ngy.1st.ne.jp
著者, 第 A.1 節