Debian のインストール用の公式文書は http://www.debian.org/releases/stable/
と http://www.debian.org/releases/stable/installmanual
にあります。
開発版は http://www.debian.org/releases/testing/
と http://www.debian.org/releases/testing/installmanual
にあります。(作業中であり、時々なくなります。)
本章は当初 Potato のインストーラの時代に書かれましたが、内容のほとんどは Woody
のインストーラ用に更新されており、さらに 2 つのインストーラの内容は非常に
似通っています。Sarge は完全に新たなインストーラを用いるため、Sarge の
インストーラのためには、本文書は基準点として使用してください。
また、いくつかのパッケージは名前と優先度が変更されています。 例えば、Sarge
の標準の MTA は exim
ではなく exim4
であり、coreutils
が
複数のパッケージを置き換えるために導入されています。
行動を調整する必要があるかもしれません。
Debian インストーラのコンパクトな CD イメージを探している場合は http://www.debian.org/CD/netinst/
を忘れずにチェックしてください。
Debian の testing 又は unstable
ディストリビューション
を使うことは、深刻なバグに直面するリスクを増大させます。このリスクは Debian
のより安定なディストリビューションとのマルチブートを行ったり、 chroot
, 第 8.6.35 節
に記述されているより安定なディストリビューション内で chroot
することにより供給される素晴らしい手段を用いることにより
管理できます。後者の方法は Debian の異なるディストリビューションを複数の
端末で同時に起動することを可能とします。
Linux はほとんどの PC ハードウェアとの互換性を有しており、ほとんどのシステム にインストールできます。私にとって Linux のインストールは Windows 95/98/Me をインストールするのと同じ位簡単です。ハードウェア互換性リストは常に 増大し続けているようです。
ラップトップ PC を持っている場合は、
そのブランドとモデル名によるインストールヒントを Linux on Laptops
で
調査できます。
デスクトップ PC ハードウェアのお薦めは "とにかく保守的" ということです。
低速なマシンを持っている場合、ハードディスクを取り外して他の高速なマシンに 取り付けてインストールするのは良いアイデアです。
インストール中、PC のハードウェアやチップセットを聞かれることがあります。 時々それらの情報は見付かりづらいかもしれません。次にハードウェアやチップセット の情報を見付ける方法を挙げます。
Linux system 上で次のコマンドを実行すると実際のハードウェアとその設定の ヒントが得られます。
$ pager /proc/pci $ pager /proc/interrupts $ pager /proc/ioports $ pager /proc/bus/usb/devices
これらのコマンドはインストールの進行中に端末から Alt-F2 を押すことにより 実行可能になります。
最初のイントール後、pciutils
, usbutils
, や
lshw
などの追加パッケージをインストールすると、
より広範囲なシステム情報が得られます。
$ lspci -v |pager $ lsusb -v |pager # lshw |pager
典型的な PC は次のように IRQ を使用します。
/dev/ttyS1
)
/dev/ttyS0
)
/dev/fd0
,
/dev/fd1
)
/dev/lp0
)
/dev/hda
,
/dev/hdb
)
/dev/hdc
,
/dev/hdd
)
古い非 PnP ISA カードでは、BIOS から非 PnPな IRQ として IRQ5, IRQ10 および IRQ11 を設定したいかもしれません。
USB デバイスに対しては、デバイスクラスが次のようにリストされます。
/proc/bus/usb/devices
に Cls=nn として
存在する
デバイスクラスが 255 ではない場合は、Linux はそのデバイスをサポートしています。
ハードウェア情報は他の OS からも取得可能です。
他の商用 Linux ディストリビューションをインストールしてください。これらの
ディストリビューションのハードウェア検知機能は現在の Debian の検知機能に比べ
優れています。(この状況は Sarge に debian-installer
が導入
されても変わらないでしょう。)
Windows をイントールします。ハードウェアの設定は "My Computer" を 右クリックしてデバイスマネージャ/プロパティを開くことにより取得できます。 IRQ、 I/O ポートアドレス、そして DMA のような全てのリソースが 記録されています。ある古い ISA カードは DOS 上で設定する必要があります。
"Lilo is limited to 1024 cylinders." は間違っている!
Debian potato 以降で使用されている lilo
は lba32 をサポート
しています。マザーボードの BIOS が lba32 をサポートしているくらい新しいなら、
lilo
は古い 1024 シリンダの制限を越えてロードできます。
古い lilo.conf
を保持している場合、lilo.conf
の
先頭の近くのどこかに "lba32" を読み込む 1
行を確実に追加してください。 /usr/share/doc/lilo/Manual.txt.gz
を見てください。
GNU Hard プロジェクト由来の新しいブートローダである grub
は Debian
の Woody system に次のようにインストールできます。
# apt-get update # apt-get install grub-doc # mc /usr/share/doc/grub-doc/html/ ... 内容を読む。 # apt-get install grub # pager /usr/share/doc/grub/README.Debian ... これを読む。
GRUB メニュを編集するには、/boot/grub/menu.lst
を編集してください。 lilo
とはブートパラメータの設定方法がかなり違うので、
ブート中にブートパラメータを設定する方法について GRUB ブートパラメータの設定, 第 8.1.6 節
を 見てください。
Potato では、通常のデスクトップへのインストールには IDEPCI disk set が
いいでしょう。 Woody では、 bf2.4
ブートディスクセットが良いです。これらはブートフロッピーを 作成するため、共に
boot-floppies
版を使用しています。
PCMCIA ネットワークカードを持っている場合、標準のブートディスクセットを使用して (大量のフロッピーを必要としますが全てのドライバモジュールが含まれています) PCMCIA setup で NIC の設定を行う必要があります。標準のネットワークセットアップ ダイアログで NIC カードの設定を行おうとしないでください。
特殊なシステムでは、カスタムレスキューディスクを作成する必要があります。
これは違うマシンでコンパイルした圧縮カーネルイメージにより Debian
レスキューディスク上の "linux"
と言う名前のカーネルイメージを上書きして
置き換えることにより行えます。詳細はレスキューディスク内の
readme.txt
にあります。 レスキューフロッピーは MS-DOS
ファイルシステムを使用しているので、
読み込みと編集にあらゆるシステムを使用できます。この特徴により、特別な
ネットワークカードなどを使用したい人にとって使い易くなっています。
Sarge では、ブートフロッピーの作成に debian-installer
又は
pgi
が使われると期待されています。
http://www.debian.org/releases/stable/installmanual
又は http://www.debian.org/releases/testing/installmanual
(作業中で時々なくなります) にある公式な指示に従ってください。
testing ディストリビューションで boot-floppies
を用いた システムをインストールしている場合、APT
ソースを調整するためにインストール中に Alt-F2
を押して端末を開き、/etc/apt/sources.list
エントリを
編集し、"stable" を "testing"
に変更する必要があるかもしれません。
私は lilo
を /dev/hda3
のような場所にインストールし、
mbr
の場合は /dev/hda
にインストールします。
このようにするとブート情報を上書きする危険性を最小限に抑えることができます。
ここにインストール中私が選ぶ選択肢を挙げます。
dselect
, 第 6.2.3 節
を見てください。あなたが Emacs 愛好者の場合でも、 インストール中は emacs
をインストールするのを避けて nano に満足 してください。現段階では TeX (Potato
が昔インストールしようとしていました)
などの巨大なパッケージのインストールを避けてください。nano-tiny 又は elvis-tiny
をここでインストールする理由については 緊急用エディタ, 第 11.2 節
をごらんください。
exim
: メールを ISP の SMTP サーバ経由で送るため "2" を
選択する。
dselect に関するより詳しい情報は、dselect
, 第 6.2.3 節
をごらんください。
LAN 設定例 (C サブネット: 192.168.1.0/24)
Internet | +--- 外部 ISP が POP service を供給 (fetchmail 経由の取得) | ISP アクセスポイントが DHCP サービス と SMTP relay サービス を供給 | : ケーブルモデム (ダイアルアップ) | : LAN ゲートウェイマシン 外部ポート: eth0 (ISP の DHCP により付与) 古いノートPCを使用 (IBM Thinkpad, 486 DX2 50MHz, 20MB RAM) ext3 ファイルシステムを用いた Linux 2.4 カーネルを使用 "ipmasq" パッケージを使用 (stronger patch, NAT, さらに firewallを使用) "dhcp-client" パッケージを使用し、eth0 に対して設定 (DNS 設定を上書きする) "dhcp" パッケージを使用し、eth1 に対して設定 "exim" を smarthost として使用 (mode 2) 長時間の間隔で "fetchmail" を使用 (fallback) LAN からインターネットへの接続のためのキャッシュサーバおよび LAN から LAN ドメインへのアクセスのための信頼できるネームサーバとして "bind" を使用。 port 22 および 8080 にて "ssh" を使用 (どこからでも接続するため) (APT からの) Debian archive のため、キャッシュサーバとして "squid" を使用。 LAN ゲートウェイマシン内部ポート: eth1 (IP = 192.168.1.1 固定) | +--- LAN スイッチ (100base T) ---+ | | LAN 上のいくつかの固定IP クライアント LAN 上のいくつかの DHCP クライアント (IP = 192.168.1.2-127 固定) (IP = 192.168.1.128-200 動的取得)
ネットワークの設定の詳細は ネットワークの設定, 第 10 章 をごらんください。 LAN ゲートウェイサーバの詳細な設定については ゲートウェイルータを構築する, 第 10.14 節 を ごらんください。
複数のマシンを通じて同じ感覚を保つために、最初のいくつかのアカウントはいつも システムを通じて同一にしています。
いつも最初のユーザアカウントを "admin" (uid=1000) のような名前で作成
しています。全ての root へのメールをそこに転送します。このアカウントは
adm group ("なぜ GNU
su
は wheel グループを サポートしていないのか",
第 9.2.2 節 参照) のメンバに与えられ、 root 権限を PAM を通じた
su
又は sudo
コマンド
を通じて与えることが可能です。詳細は ユーザアカウントを追加, 第 4.1.3 節
をごらんください。
システムクラッシュの際の被害を最小限に抑えるため、異なったディレクトリツリー に対して異なったパーティションを使用する方が好みです。例えば次のように パーティションを分割します。
/ == (/ + /boot + /bin + /sbin) == 50MB+ /tmp == 100MB+ /var == 100MB+ /home == 100MB+ /usr == 700MB+ with X /usr/local == 100MB
/usr/
ディレクトリのサイズは X Window アプリケーションや
ドキュメントの量に極めて依存しています。コンソールのみを使用する場合、
/usr/
は 300MB にすることができます。一方、多数の Gnome
アプリケーションをインストールした場合、2GB–3GB のサイズを割り当てるのは
異常ではありません。 /usr/
が非常に大きくなってしまった時、/usr/share/
を他のパーティションに移すのは最も効率的な対策です。新しい大規模な
パッケージ化された Linux 2.4 カーネルでは、/
は 200MB
以上必要となるかもしれません。
例えば、私の Internet ゲートウェイサーバの現在の状況は次のようになっています。 (df -hコマンドの出力)
Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on /dev/hda3 300M 106M 179M 38% / /dev/hda7 100M 12M 82M 13% /home /dev/hda8 596M 53M 513M 10% /var /dev/hda6 100M 834k 94M 1% /var/lib/cvs /dev/hda9 596M 222M 343M 40% /usr /dev/hda10 596M 130M 436M 23% /var/cache/apt/archives /dev/hda11 1.5G 204M 1.2G 14% /var/spool/squid
(/var/spool/squid/
に割り当てられている大容量の領域は
パッケージのダウンロードの際の proxy キャッシュのためです。)
次は パーティション構造の考えを示すための fdisk -l の出力です。
# fdisk -l /dev/hda # comment /dev/hda1 1 41 309928+ 6 FAT16 # DOS /dev/hda2 42 84 325080 83 Linux # (not used) /dev/hda3 * 85 126 317520 83 Linux # Main /dev/hda4 127 629 3802680 5 Extended /dev/hda5 127 143 128488+ 82 Linux swap /dev/hda6 144 157 105808+ 83 Linux /dev/hda7 158 171 105808+ 83 Linux /dev/hda8 172 253 619888+ 83 Linux /dev/hda9 254 335 619888+ 83 Linux /dev/hda10 336 417 619888+ 83 Linux /dev/hda11 418 629 1602688+ 83 Linux
いくつかの未使用のパーティションが存在しています。これらは 2 個目の Linux ディストリビューションのインストールや大きくなったディレクトリツリーのための 拡張スペースのためのものです。
上記のファイルシステムを適切にマウントするために、次に示すように
/etc/fstab
を設定しています。
# /etc/fstab: static filesystem information. # # filesystem mount point type options dump pass /dev/hda3 / ext2 defaults,errors=remount-ro 0 1 /dev/hda5 none swap sw 0 0 proc /proc proc defaults 0 0 /dev/fd0 /floppy auto defaults,user,noauto 0 0 /dev/cdrom /cdrom iso9660 defaults,ro,user,noauto 0 0 # # パーティションを分割しつづけます /dev/hda7 /home ext2 defaults 0 2 /dev/hda8 /var ext2 defaults 0 2 /dev/hda6 /var/lib/cvs ext2 defaults 0 2 # noatime オプション はファイルの読み込みのアクセスを高速化する /dev/hda9 /usr ext2 defaults,noatime 0 2 /dev/hda10 /var/cache/apt/archives ext2 defaults 0 2 # proxy キャッシュのための非常に大きなパーティション /dev/hda11 /var/spool/squid ext2 rw 0 2 # ブート可能な DOS のバックアップ /dev/hda1 /mnt/dos vfat rw,noauto 0 0 # ブート可能な Linux システムのバックアップ (未実施) /dev/hda2 /mnt/linux ext2 rw,noauto 0 0 # # nfs マウント mickey:/ /mnt/mickey nfs ro,noauto,intr 0 0 goofy:/ /mnt/goofy nfs ro,noauto,intr 0 0 # minnie:/ /mnt/minnie smbfs ro,soft,intr,credentials={filename} 0 2
NFS の場合、 noauto,intr オプションをデフォルトのhard オプションと組み合わせて使用します。このようにすると、Ctrl-C を用いた dead-connection によるプロセスのハングから回復することが可能です。
Samba (smbfs) により接続した Windows マシンに対しては、 rw,auto,soft,intrオプションを使用するのは良い考えです。 Samba の設定, 第 3.5 節 をごらんください。
フロッピードライブに対しては、noauto,rw,sync,user,exec を 通常のオプションの代わりに用いて unmount する前に誤って ディスクをイジェクト してしまった後のファイル破壊を防ぐことができます。
auto mount する際の注意点は次の通り。
/etc/auto.misc
に
-fstype=auto を含ませることを可能とします。
# modprobe vfat # フロッピーへのアクセスを行う前に実行 ... 又は本設定を自動化させるには # echo "vfat" >> /etc/modules ... そしてシステムをリブートする。
/etc/auto.misc
を次のように設定します。
floppy -fstype=auto,sync,nodev,nosuid,gid=100,umask=000 :/dev/fd0 ... ここで gid=100 は "users" です。
cdrom
と floppy
へのリンクを
/home/user
に、それぞれ
/var/autofs/misc/cdrom
と /var/autofs/misc/floppy
を指すように設定する。
ファイアーウォール (ゲートウェイ) の後ろに (まぬけにも) 外部の Linux NFS
サーバが存在します。私しかユーザが居ないので、
非常に緩やかなセキュリティポリシーを LAN 内では適用しています。 NFS
アクセスを可能とするには、NFS サーバ側で /etc/exports
に対して次のように追加する必要があります。
# /etc/exports: the access control list for filesystems which may be # exported to NFS clients. See exports(5). / (rw,no_root_squash)
これは NFS サーバパッケージおよびクライアントパッケージをインストールして 有効にすることに加え、 NFS サーバを有効にするためにも必要です。
単純化のため、通常実験又は 2個目の不精な Linux インストールのための 2GB の
単独のパーティションを作成します。これらのインストールのために swap や
/tmp
の共有を任意で行います。複数パーティションとすると、
これらの手段が使用できなくなるほど複雑になってしまいます。単独の端末システム
のみを必要とする場合、500MB もあれば十分です。
次に DRAM 搭載量の大まかなガイドラインを示します。
4MB: Linux kernel が動く最小量 16MB: 適切なコンソールのみのシステムに最低限必要な量 32MB: シンプルな X Window system に最低限必要な量 64MB: GNOME/KDE を用いた X Window system を動かすのに最低限必要な量 128MB: GNOME/KDE を用いた X Window system が快適な量 256MB(以上): なぜ買えないの? DRAM は安いよ。
mem=4m ブートオプションを用いる (又は lilo で append="mem=4m" とする) とシステムにメモリが 4MB しか無い場合の振舞がどのようなものかを 示します。BIOSが古く、64MB 以上のメモリを搭載しているシステムには 特別な lilo ブートパラメータが必要です。
スワップに対しては次のようなガイドラインを使用します。
/etc/fstab
に sw,pri=1 オプションを追加してマウント
する。これはカーネルがスワップパーティションのストライピング RAID を行う
ことを保証し 、最大のスワップパフォーマンスをもたらします。
スワップを必要としない場合でも、メモリリークを起こすプログラムによりクラッシュ する前にシステムが低速化するので、いくらかのスワップ (128 MB) を用意するのが 望ましいです。
システム全体に渡って自分の好みに合うようにシェルの起動スクリプトを変更します。
/etc/bash.bashrc 個人独自のコピーで置き換える /etc/profile distribution のコピーを保つ ( \w -> \W) /etc/skel/.bashrc 個人独自のコピーで置き換える /etc/skel/.profile 個人独自のコピーで置き換える /etc/skel/.bash_profile 個人独自のコピーで置き換える ~/.bashrc 全てのアカウントについて個人独自のコピーで置き換える ~/.profile 全てのアカウントについて個人独自のコピーで置き換える ~/.bash_profile 全てのアカウントについて個人独自のコピーで置き換える
詳細は私のサンプルスクリプトをご覧下さい
。
私は透過的なシステムが好きなので、umask
を 002 又は 022
にセットします。
PATH
は次に挙げる順で設定ファイルによりセットされます。
/etc/login.defs - シェルが PATH をセットする前 /etc/profile (may /etc/bash.bashrc を呼んでいるかもしれません) ~/.bash_profile (~/.bashrc を呼んでいるかもしれません)
ATX マザーボードの PS/2 コネクタにつなげるマウスの場合、信号の流れは 次のようになります。
mouse -> /dev/psaux -> gpm -> /dev/gpmdata = /dev/mouse -> X
ここで、/dev/psaux
というシンボリックリンクが作成され、
/dev/gpmdata
を指すことにより、いくつかの設定ユーティリティ
がマウスを使い易くし、再設定を容易にすることができます。 (例えば、結局
gpm
デーモンを使わないことにした場合、 gpm
デーモンを削除した後に /dev/mouse
という シンボリックリンクは単に
/dev/psaux
を指すことになります。)
この信号の流れにより、再接続時に gpm
を再起動することにより
キーボードやマウスが外され、再び接続することができるようになります。 X
は動いたままです!
gpm
の出力と X への入力の間の信号プロトコルは "ms3"
(Microsoft 3ボタンシリアルマウスプロトコル) 又は "raw"
(同じプロトコルを接続された マウスとして使用する)
のどちらでも実装できます。そしてこのプロトコルの選択 が X
の設定で使用されるプロトコルの選択を規定します。
Logistech 3ボタン (伝統的な Unix スタイルのマウス) PS/2 マウスを 例として使用して次にマウスの設定の例を挙げます。
新しい X Version 4 でサポートされていないビデオカード (いくつかの ATI 64ビットカード) を使っており、古い X Version 3 を使う必要 があるなら、X Version 3 パッケージをインストールして次に示すように /etc/X11/XF86Config-4 の代わりに /etc/X11/XF86Config を設定してください。
/etc/gpm.conf | /etc/X11/X86Config-4 =========================+====================================== device=/dev/psaux | Section "InputDevice" responsiveness= | Identifier "Configured Mouse" repeat_type=ms3 | Driver "mouse" type=autops2 | Option "CorePointer" append="" | Option "Device" "/dev/mouse" sample_rate= | Option "Protocol" "IntelliMouse" | EndSection
この手法を用いると、マウス形式の調整は gpm.conf
の
編集のみ行えばよく、X の設定はそのままでかまいません。 my example scripts
をごらんください。
/etc/gpm.conf | /etc/X11/X86Config-4 =========================+====================================== device=/dev/psaux | Section "InputDevice" responsiveness= | Identifier "Configured Mouse" repeat_type=raw | Driver "mouse" type=autops2 | Option "CorePointer" append="" | Option "Device" "/dev/mouse" sample_rate= | Option "Protocol" "MouseManPlusPS/2" | EndSection
本手法を用いると、マウス形式の調整は gpm.conf
を編集する
のに加えて、Xの設定も調整する必要があります。
gpm
における autops2 デバイスタイプは
市場に出回っているほとんどの PS/2 マウスを自動検知するはずです。不幸にも
これはいつも動くとは限らず、Woody 以前には使えませんでした。そのような 場合には
autops2 の代わりとして /etc/gpm.conf
に
ps2 又は imps2 を使用してください。 gpm
が認識できる特別なタイプのマウスを調べるには、 gpm -t help
を実行してください。gpm(8)
をごらんください。
2 ボタン PS/2 マウスを使用している場合、X プロトコルが
Emulate3Buttons を有効化するように設定してください。中央のボタンを
1 度押すと 2ボタンマウスと 3
ボタンマウスの間のプロトコルの違いが自動検知され、gpm
用に
自動調整されます。
X プロトコルで raw プロトコルを用いる方法, 第 3.3.1.2
節 を用いる、又は gpm
を
用いない場合、次のマウス形式を使用してください。
gpm
は
"ms3" を繰り返します)
詳細は Mouse Support
in XFree86
を ごらんください。
典型的な Microsoft スクロールマウスの場合、次の設定によりもっとうまく動くと 報告されています。
/etc/gpm.conf | /etc/X11/X86Config-4 =========================+====================================== device=/dev/psaux | Section "InputDevice" responsiveness= | Identifier "Configured Mouse" repeat_type=raw | Driver "mouse" type=autops2 | Option "CorePointer" append="" | Option "Device" "/dev/mouse" sample_rate= | Option "Protocol" "IMPS/2" | Option "Buttons" "5" | Option "ZAxisMapping" "4 5" | EndSection
最近の薄型の東芝ノートPC では、gpm
を PCMCIA よりも先に
起動するとシステムのデッドロックを防ぐことができるようです。不気味ですが
本当です。
必要な全ての kernel 機能をカーネルコンパイル時の設定やモジュールを 通して有効にしたかどうかを確認してください。
input.o
),
mousedev.o
),
usbcore.o
),
usb-uhci.o
|| uhci.o
||
usb-ohci.o
),
hid.o
) および
ここで、小文字の名前はモジュール名です。
devfs を使用していない場合、 /dev/input/mice
デバイスノードを
major デバイス番号 13 、 minor デバイス番号 63 を用いて次のように
作成してください。
# cd /dev # mkdir input # mknod input/mice c 13 63
典型的なスクロール USB マウスの場合、 次のような 2 種類の設定を組み合わせる必要があります。
/etc/gpm.conf | /etc/X11/X86Config-4 =========================+====================================== device=/dev/input/mice | Section "InputDevice" responsiveness= | Identifier "Generic Mouse" repeat_type=raw | Driver "mouse" type=autops2 | Option "SendCoreEvents" "true" append="" | Option "Device" "/dev/input/mice" sample_rate= | Option "Protocol" "IMPS/2" | Option "Buttons" "5" | Option "ZAxisMapping" "4 5" | EndSection
詳細は the Linux USB
Project
をごらんください。
ノート PC にあるタッチパッドは 2 ボタン PS/2 マウスをデフォルトの動作
としてエミュレートしますが、tpconfig
パッケージ
によりタッチパッドのフル機能を有効化できます。例えば、
/etc/default/tpconfig
にて
OPTIONS="--tapmode=0" と設定すると、くどい "click
by tap" 機能を無効にできます。 コンソール上でタッチパッドと USB
マウスを同時に使用するには /etc/gpm.conf
を次のように設定してください。
device=/dev/psaux responsiveness= repeat_type=ms3 type=autops2 append="-M -m /dev/input/mice -t autops2" sample_rate=
/etc/exports
を調整することにより NFS の設定を行えます。
# apt-get install nfs-kernel-server # echo "/ *.LAN上のホストノドメイン名(rw,no_root_squash,nohide)" \ >> /etc/exports
リファレンスをいくつか示します。
http://www.samba.org/
samba-doc
パッケージ
WfW-type の共有ドライブを作成するので、 Samba を "share" モードに 設定するのはより容易です。しかし、私は "user" モードで設定する方が好きです。
Samba は debconf
又は vi
を通じて設定可能です。
# dpkg-reconfigure --priority=low samba # Woody にて # vi /etc/samba/smb.conf
smbpasswd
への新規ユーザの追加は、 smbpasswd
を
次のように用いることにより可能です。
$ su -c "smbpasswd -a username"
最適な互換性を保つため、暗号化パスワードを確実に使用してください。
次に示すシステム等価係数 (大きくなるほど、サーバとしての優先度が高い) に従い、os level を設定してください。
0: 緩い考えの Samba (マスタブラウザには決してならない) 1: WfW 3.1, Win95, Win98, Win/Me? 16: Win NT WS 3.51 17: Win NT WS 4.0 32: Win NT SVR 3.51 33: Win NT SVR 4.0 255: パワフルな Samba
ユーザは共有アクセスを与えるディレクトリを所有するグループに属しており、 ディレクトリパスにはアクセスするための実行権があることを確認してください。
プリンタを設定するための伝統的な方法は lpr
又は lpd
です。今は新しい CUPS™ システム (Common UNIX Printing System) が
存在します。PDQ はもう一つのアプローチです。詳細は Linux Printing
Howto
をごらんください。
lpr
又はlpd
ポストスクリプトプリンタ又はテキストのみのプリンタを接続しているならば、
lpr
又は lpd
タイプのスプールのために
/etc/printcap
を次のように設定してください。
lp|alias:\ :sd=/var/spool/lpd/lp:\ :mx#0:\ :sh:\ :lp=/dev/lp0:
上記の行はそれぞれ次のような意味があります:
本設定はポストスクリプトプリンタを接続している場合、良い設定です。又、 Samba を通じて Windows マシンに接続したプリンタから印刷する場合の Windows をサポートした (双方向通信がサポートされない) プリンタ にとっても良い設定です。Windows マシン上で対応するプリンタの設定を選択 する必要があります。
ポストスクリプトプリンタを所有していない場合、gs
により
フィルタシステムの設定を行う必要があります。 /etc/printcap
の設定のために供給される数多くの自動設定 ツールが存在します。
これらを自由に組み合わせることが可能です。
gnulpr
, (lpr-ppd
) と
printtool
—私はこの組合せを使っています。
lpr
と apsfilter
lpr
と magicfilter
lprng
と lprngtool
lprng
と apsfilter
lprng
と magicfilter
printtool
のような GUI 設定ツールを起動するために root 権限
を取得するには X で root 権限を取得する, 第
9.4.12 節 を見てください。printtool
により作成されたプリンタスプールは gs
を使用し、ポストスクリプト
プリンタのように振る舞います。それゆえ、これらのプリンタにアクセスした時、
ポストスクリプトプリンタのドライバを使用します。Windows 側では、この
プリンタを用いるには "Apple LaserWriter" が標準的なドライバです。
The Common UNIX Printing System (又は CUPS™) は aptitude
を使い "Tasks" -> "Servers" -> "Print
Server" の下の全てのパッケージをインストールすることで導入できます。
(Sarge) 最善の結果のためには aptitude
を "F10" ->
"Options" -> "Dependency handling" -> "[X]
Install Recommended packages automatically". と設定するべきです。
KDE や Gnome デスクトップ環境では簡単にプリンターの設定ができます。 この他に
swat
が導入されている場合は web
ブラウザを用いてシステムの設定を行えます。
$ 好みのブラウザコマンド http://localhost:631
例えば、アクセス可能なプリンタのリストにプリンタを追加するには、 次を実行します。
詳細は http://localhost:631/documentation.html
及び http://www.cups.org/cups-help.html
をご覧ください。
2.4 kernel の場合は、パラレルポートのサポート, 第 7.2.6 節 もごらんください。
いったんここまで来たら、小さいけれどもちゃんと機能する Debian システムを 持っていることになります。もっと大きいパッケージをインストールしても良い 時間です。
tasksel
を起動しましょう。 task のインストール, 第 6.2.1 節 を
ご覧ください。
必要ならばこれらのタスクを選択できます。
dselect
を通してインストールすることにより、 tasksel
をガイドとして使うのが好みです。
dselect
を起動する
まずあなたが最初に行いたいかもしれないのは好みのエディタや他のプログラムを選ぶ
ことでしょう。多数の Emacs の変種を同時にインストールできます。 dselect
, 第 6.2.3 節 や 有名なエディタ, 第 11.1 節
をご覧ください。
又は、デフォルトのパッケージのうちいくつかをフル機能を持った物に置き換えたい かもしれません。
私はより簡単にシャットダウンを行うため、通常 /etc/inittab
を
次のように編集します。
... # CTRL-ALT-DEL が押された時に実行 ca:12345:ctrlaltdel:/sbin/shutdown -t1 -a -h now ...
デバイスドライバ用のモジュールは最初のインストール中に設定されます。
modconf
はメニュ指向なモジュール設定を後に供給します。
このプログラムは最小のインストール中にいくつかのモジュールを除外されたり、
最初のインストール後に新しいカーネルをインストールした場合に非常に有用です。
全てのプリロードされたモジュール名は /etc/modules
にあるリストに追加される必要があります。モジュールの制御を手動で行うために
lsmod
や depmod
も使用します。
又、2.4 系 kernel の場合に IP masquerading (FTP など) を制御するには、
/etc/modules
に新しい行を確実に追加してください。 モジュール化された 2.4 kernel, 第 7.2
節, 特に Network 機能, 第 7.2.3
節 を見てください。
IDE で接続された CD-RW ドライブが 2.4 カーネルとともに使われる場合には、 次に示すファイルを編集してください。
/etc/lilo.conf (append="hdc=ide-scsi ignore=hdc" を追加し、 設定を有効にするために lilo を実行する) /dev/cdrom (シンボリックリンク # cd /dev; ln -sf scd0 cdrom) /etc/modules ("ide-scsi" および "sg" を追加する。"sr" が必要なら その後に追加する。)
詳細は CD ライター, 第 9.3 節 をごらんください。
大規模メモリ (2.2 kernel 用)と自動電源 OFF (APM 用) のためのブートプロンプト
パラメータを設定するため、 /etc/lilo.conf
を次のように編集
してください。
append="mem=128M apm=on apm=power-off noapic"
これらの設定をインストールするには lilo
を実行してください。 SMP
カーネルには apm=power-off の設定が必要であり、buggy な SMP
ハードウェアの問題を回避するには noapic と設定する必要
があります。同じことはブートプロンプトでオプションを入力することによっても
可能です。ブートプロンプトを使った他のブートトリック,
第 8.1.5 節 をごらんください。
APM がモジュールとしてコンパイルされている場合、Debian のデフォルトの version
2.4 カーネルでは、insmod apm power-off=1 とブート後に
実行するか、/etc/modules
に次のように設定してください。
# echo "apm power_off=1" >>/etc/modules
又は、ACPI のサポートを組み込んでコンパイルすることにより、より新しい kernel を用いて同じ目標を達成出来ますし、より SMP フレンドリーにもなるようです (これには新しいマザーボードが必要です)。 新しいマザーボード上で 2.4 kernel を次の設定で動かすと大容量メモリを正確に認識できます。
CONFIG_PM=y CONFIG_ACPI=y ... CONFIG_ACPI_BUSMGR=m CONFIG_ACPI_SYS=m
そして、次の 2 行をこの順番で /etc/modules
に追加してください。
ospm_busmgr ospm_system
又は、上記に示したオプションを "y" にセットして kernel を再構築してください。 どの場合でも、ACPI を用いた場合にはブートプロンプトパラメタは必要ありません。
最近の Linux kernel は通常 ECN を有効化でき、これが腐ったルータ上にある いくつかのウェブサイトにアクセスした際に問題を引き起こします。ECN の 状況を確認するには。次を実行します。
# cat /proc/sys/net/ipv4/tcp_ecn ... 又は # sysctl net.ipv4.tcp_ecn を実行してください。
ECN を無効化するには、次のコマンドを実行してください。
# echo "0" > /proc/sys/net/ipv4/tcp_ecn ... 又は # sysctl -w net.ipv4.tcp_ecn=0
ブート時に TCP ECN を無効化するには、/etc/sysctl.conf
を
次のように編集してください。
net.ipv4.tcp_ecn = 0
pppconfig
パッケージをインストールすることにより ダイアルアップ
PPP 接続の設定ができます。
# apt-get install pppconfig # pppconfig ... ダイアルアップ PPP のための指示に従う # adduser user_name dip ... user_name のダイアルアップ PPP へのアクセスを許可
ユーザ (user_name) によりダイアルアップ PPP を次のように 起動できます。
$ pon ISP_name # プロバイダへの PPP 接続を開始。 ... Internet を愉しむ $ poff ISP_name # PPP 接続を切断。 ISP_name は任意。
詳細は PPP インターフェースの設定, 第 10.2.4 節 をごらんください。
/etc/
下のファイルを微調整するための他の設定ファイル
標準的な Debian のインストールでは欠けている /etc/cron.deny
ファイルを追加したいかもしれません。(/etc/at.deny
をコピー
可能です。)
Debian リファレンス
CVS, 2005年 4月 3日 月曜日 22時59分00秒 UTC時間osamu@debian.org
tsuno@ngy.1st.ne.jp